インフルエンザ治療・予防内服について

インフルエンザ予防内服について
今年もインフルエンザが流行する季節になりましたね。
「隣で咳をしていた友人がインフルエンザだった」
「大事な仕事が控えている」
「コンサートのチケットが取れた」
「旅行を計画している」
また他にも、受験生のお子様と同居している場合、自分の体調管理にもかなり気を使う必要が出てきているのではないかと思います。
どうしてもインフルエンザに感染をしたくない場合、感染前に抗インフルエンザ薬を服用することで、インフルエンザの感染を予防することができます。
インフルエンザのワクチンによる予防効果は接種後、2週間ほど経過してからですが、インフルエンザ予防薬では、投与開始後すぐから10日間ほど予防効果が期待できます。
そのため、受験、資格試験、大事な用事など、どうしても休めない用事がある時に、本人やご家族が予防目的で使用することが可能です。
当院では「オセルタミビル(タミフルジェネリック)」と「イナビル」の2種類のインフルエンザ予防薬を取り扱っています。
ちなみに透析患者さんはタミフル75mg1錠を1回内服することで10日間の予防が終了します。
上手にインフルエンザの予防に取り組み、年末年始のさまざまなイベントがある冬を楽しみましょう!
※お薬の準備がありますので一度お電話頂いてから来院して頂けますようお願いいたします。
インフルエンザ治療について
次に実際インフルエンザにかかったら、どのような治療薬が出されるのでしょうか?
2025年冬、日本では「タミフル」「リレンザ」「イナビル」「ゾフルーザ」「ラピアクタ」の5つが処方可能です。
インフルエンザの治療薬というのは、文字通り「インフルエンザウイルスの量を減らすことで、症状や重症化を改善させやすくする薬」のことです。
以下のように表にまとめてみます。
大きく分けて「内服」「吸入」「点滴」の3つの投与経路があります。
内服:タミフル・ゾフルーザ
吸入:リレンザ・イナビル
点滴:ラピアクタ
内服タイプでは子供も飲めるように、ドライシロップや顆粒タイプもあります。例えば、吸入も内服も難しい患者さんには点滴タイプである「ラピアクタ」を選択します。
薬の効果はどの薬も認められています。注意することとしては吸入薬は重症例や肺炎・気管支喘息を合併している方は使用しない方がよいことになっています。
投与する回数も薬剤によって異なります。
1日2回5日投与:タミフル・リレンザ
1回だけで終了:イナビル・ゾフルーザ・ラピアクタ
となっています。
1回だけの方が飲み忘れ等の心配はありません。ただ、薬価に応じた患者さんの負担増の問題などもあり、状況にあわせて処方内容を変えたりしています。
ちなみに透析患者さんはタミフル75mg1錠を1回内服することで治療が終了しますので当院ではタミフルを常備しています。
インフルエンザと異常行動について
実は、インフルエンザには「異常行動」という特殊な合併症をきたすことがあります。「突然笑い出し、階段を駆け上がろうとする」、「変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る」など、通常ではしないような行動をとることがわかっています。
インフルエンザと異常行動の関連性についてはインフルエンザウイルスによる影響か、インフルエンザ薬による影響かは明確にわかってはいませんが、現時点では完全にはインフルエンザ薬との関連性を否定できないものとなっています。
就学以降の小児や未成年者の男性での報告や、発熱から2日間以内に発症することが多いことがわかっていますのでインフルエンザ陽性で発熱から2日以内の未成年者については、抗インフルエンザ薬の投与にかかわらず、異常行動には十分注意してください。




