尿で可能ながんのスクリーニ ング検査について

・入院のしおり(工事中)
がんのスクリーニング検査について
尿検査で、今がん細胞が体内に存在する可能性を調べます。
すべての細胞はその細胞のいらない廃棄物やその断片をエクソソームという微小粒子として周囲に放出しています。
がんが存在している場合、そのエクソソームは周囲の組織に血管を作るよう促し転移をしたり、拡大しがんの生育しやすい環境を整えるといわれています。 そのがんの情報をもったエクソソームは血液を介して尿中にも放出されます。
エクソソーム自体はその親細胞の性質を反映すると考えられており、一概に悪いものというわけでは決してありません。傷を治すようなエクソソームも開発されています。



私は大学院時代にまさにこのエクソソームの糖尿病性腎症で果たすメカニズムや影響、疾患の早期発見や進行抑制に活かせないかということについて研究していました。
今回、すい臓癌をはじめとした10種類のがんのスクリーニングにおいて最大限の効果を発揮するエクソソームを用いた「miSignal」という検査を当院でも実施することが出来るようになりました。
世界初の技術を用いた検査で保険適応ではありません。全国で900以上の医療機関で実施されていますが、八代市では初めてとなります(2025年4月時点)。
すい臓がんの他にも、女性の乳がん・卵巣がん、男性の前立腺がんなどが存在する場合は高い確率で見つけることが出来ます。

検査の意義
すい臓がんは早期発見が難しく、現在一般的に用いられているすい臓がんの血液マーカーであるCA19-9の早期がん (ステージI/IIA)の感度は37.5%という低い結果です。
一方で尿中マイクロRNA検査は感度92.9%と従来の腫瘍マーカーの反応しにくい早期がんの時点ですら検出性能が優れていることが明らかになりました。

※1 eClinicalMedicine. 2024; 77: 100972.
検査の方法
外来で簡単な問診を受けて頂いた後、尿を採取します。
事前に連絡いただいた方がスムースに検査が済みます。
専門の検査機関に依頼し、解析を行い、その結果が届いたら外来にて説明を行います。その結果、必要があれば専門の病院をご紹介致します。
詳しくは当院にお問い合わせください。