合併症予防について

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合併症予防について
・脳血管合併症について
透析患者では、透析導入までにすでに存在する動脈硬化の進行と、透析を継続することに伴う全身の血管石灰化で脳血管自体に脆弱性が認められることがあります。
また、透析患者では脳梗塞発症のリスクとなる不整脈が多く、抗血小板薬や抗凝固薬(ヘパリンなど)の使用、透析時の急激な血圧の変化などで健常人と比較して脳血管障害が起きやすい状態でもあります。
そのような脳血管合併症を予防するために当院では臨床検査技師が頸部血管エコーを定期的に行うことで予防に努めています。
・掻痒症やアミロイドーシスについて
腎機能が正常なときは、小さな分子~大きな分子の毒素まで上手に老廃物を捨てることが可能です(グラフ青線)。
通常の血液透析(グラフ水色点線)ではカリウムやクレアチニンといった小さな分子の毒素は除去されやすいですが、一方で本来の腎臓が取り除くことができるかゆみや倦怠感の原因といわれる中分子・大分子の毒素は除去されにくいものでした。
そこで、より中分子・大分子の毒素の除去に重点をおいた、つまり腎臓の機能に近づけた透析療法としてオンライン血液透析濾過(オンラインHDF、グラフ赤線)が行われるようになりました。
これはどの施設でも行えるものではなく、透析液のきれいさが確保された透析液を作らないと行うことが出来ません。
当院では2024年10月に透析装置や配管の入れ替えを行い透析液の清浄度がしっかりと確認できましたため11月11日よりオンラインHDFを開始致しました。
長い間の透析期間において出現しうる合併症の予防のためにオンラインHDFを治療の選択肢として選べることができるようになります。
・骨粗鬆症について
当院で検査可能な検査の一つが骨密度検査です。
特に女性ホルモンと骨粗鬆症の関係は重要で、20代までに最大骨量に達したあとはその状態が維持されますが閉経後は急速に骨密度が低下し、骨密度が若い方の70%未満になると骨粗鬆症という診断がつきます。
透析患者さんはカルシウムとリンのバランスをとるホルモンの影響でカルシウムが骨から溶け出しやすい状態にあり、加えて重力に抵抗しない時間が健常な人に比べて多いことから骨粗鬆症を来しやすいことが分かっていました。
最近まで腎臓の機能が低下した患者さんに使用可能な骨粗鬆症の治療薬は非常に限られており、数年前まで治療の是非は示されていませんでした。
しかし、2023年ころから透析患者さんにもしっかり骨粗鬆症の治療を行った方がよいことが分かり、日本透析医学会でも骨粗鬆症のコーナーが新設されるようになり現在注目を浴びている領域です。
しっかり検査を受け、予防や診断がついたら治療をお勧め致します。
・透析とED(勃起不全)の関係
ED(勃起不全)はなにも恥ずかしがる必要のない病気です。
透析を受けている男性の方では、その動脈硬化やホルモンバランスの変化の影響で半数以上の方がEDを発症しているともいわれています。
年齢に応じて発症頻度も上昇し、60代の男性透析患者では、約80パーセント近くがED症状を呈するとの報告もあります。
EDは生活の質を落とす要因となりえますので必要時は治療を行います。
治療はバイアグラを少量用います。料金はバイアグラ25mg1錠で1000円程度の自費診療(保険外診療)となります。




