

・合併症予防について

透析患者様へ
・透析室について
2024年10月6日、大幅に透析機器の更新を致しました。
今後透析液の安全性を確認後に長期間透析における透析合併症に配慮した今まで以上の透析療法の提供が可能となります。
・シャント管理について
透析を行うために必要なシャント(バスキュラーアクセス)ですが、毎回針を刺すことで血管自体も傷んでくることが多く、狭窄病変を来すことがよくあります。

当院では穿刺の難しい方にはエコーガイド下の穿刺を行い、血管を痛めにくく疼痛を少なくすることに努めています。
またシャントの適切な管理を行うために臨床工学技士がシャントマップの作成および狭窄部位の早期発見を行うことで、シャントのメンテナンスや狭窄部位の治療(PTA)につなげています。
・プライバシー空間の確保
今までより透析のベッド数を減らし、ベッドとベッドの間隔をこれまで以上に広くとることで透析中の患者さんのプライバシーに配慮した透析療法の提供します。

・安全な透析の提供について
特に安全な透析の提供を心掛けており、新規に検査機器を導入することで、毎日の透析液の電解質濃度や残留塩素の有無を確認した後、透析療法を開始しています。
また、透析中は循環動態の変化から急変を起こすこともあり得ますのでセントラルモニターによる循環動態の管理や、万が一急変した際のAEDなどを設置しています。
シャントエコーの様子
・WiFi環境の提供
患者さん向けに透析室におけるWiFiを整備しました。長時間透析室で過ごす皆様にとって治療中も細やかな心配りにより快適な環境を提供します。
・透析中の運動療法について
透析は4~5時間かかりますが、その間寝た状態で過ごすことは重力に抵抗する時間が少なくなり、年齢を経たときの筋力の低下に影響するといわれています。そのため以前より透析中の運動療法について着目されていました。
当院でも寝た状態のまま出来るエアロバイクを用いて透析中の運動療法を開始しました。個人の状態に応じた負荷での運動を行うことで筋力低下を予防します。

・透析中の災害対策について
長時間の透析期間中に地震や火事などの避難が必要な事態が起こってしまう可能性を想定すると、いかに早く透析を中断し安全に避難できるか?ということが重要と考えられます。
透析を切り上げるために止血に10分要しているような状態では間に合いません。
そのため当院では血液の逆流を抑える機能の付いた針を採用しました。そのため非常時には透析の回路を外して針だけの状態ですぐに避難行動に移ることが可能です。
このように様々な観点からスタッフ一丸となって、最善の透析療法の提供を心がけます。
※2024年12月17日 透析患者さん向けの当院用パンフレット「透析と上手に付き合っていくために(全24ページ)」を作成しました。ご希望の方は当院スタッフまでお尋ねください。